ここ数年“物理学者”が書く本にハマっています。
学生の時は、かなりイヤイヤ勉強していた物理がこんなに面白い世界だったとは思いもよらなかった!こういう先生に物理を教えてもらいたかった!と思わせるほど物理は面白いのです。


きっかけはこの1冊。

村山斉

物理学者である村山斉(むらやまひとし)先生の「宇宙はなぜこんなにうまくできているのか」 。
この本に書かれている内容は、宇宙がどうできているか?という壮大なこの世界についての話。
物理学者が書くから数式が出てきて難しいイメージもありますが、めちゃくちゃわかりやすく数式も出てこずわかりやすく書かれています。
この本をきっかけに村山先生の本を買い漁って読みました。
そしてわかったのが、

物理学者が解き明かそうとしているのはこの世の成り立ちや法則を数式で表すこと

ということです。
物理へのイメージがガラッと変わりました。
彼等物理学者は、数式によって、この宇宙誕生の秘密を解き明かし、全ての事象を数式によって説明できると信じているのです。


最新物理学、素粒子の世界

読み進めていると面白いのが、「素粒子」と呼ばれる世界。
物質の最小単位は「原子」だと思っていましたが、その原子核の中はもっともっと小さい「素粒子」の世界が広がっているのです。
そして、そのめちゃくちゃ小さい「素粒子」の謎を解き明かすことで、何と!この宇宙の“はじまり”が解明されるかもしれないのです。
本の中では、物理学者が長い間苦悩して様々な謎を解き明かしてきた物理学の“歴史”も織り交ぜながら紹介されています。
え?!そんな大昔から物理学者はこんなことがわかっていたの!??
そう思わされるエピソードがいっぱい!

例えば、ニュートリノの観測に成功し2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊(こしば まさとし)先生。
このニュートリノの発見は、2002年にノーベル賞なので、つい最近かと思いますが、実はもっと前、1987年2月23日に、大マゼラン星雲でおきた超新星爆発 (SN 1987A) で生じたニュートリノを偶発的に世界で初めて検出していたのです。
15年も前なのです。

更に、このニュートリノ、素粒子でめちゃくちゃ小さく、目に見えないものですが、これを観測した設備は信じられないくらいでかい!
岐阜にあるカミオカンデという観測装置なのですが、カミオカンデは3000トンの超純水を蓄えたタンクと、その壁面に設置した1000本の光電子増倍管からできていて巨大な地下施設なのです。

カミオカンデ
カミオカンデの模型 出典:ja.wikipedia.org

この大きさと、ニュートリノというめちゃくちゃ小さい物質にこんな巨大な設備が!と驚かされました。
こういうニュートリノなどの素粒子を解き明かせば、まだ太陽も地球も物質が何もなかった宇宙のはじまりに迫ることができるらしいのです。
しかも、既に、宇宙誕生のインフレーション、10のマイナス44乗秒後の状態などが既にわかっているらしいのです。


アインシュタインなど天才があふれる物理学の世界

更に、天才であり相対性理論で有名なアインシュタイン。
この相対性理論による“数式”がなければGPSも正確に機能しなかったとか。

そして、宇宙の謎は壮大で、超弦理論によれば、この世界は“10次元”だとか!
縦+横+高さ+時間+α・・・
一体世界は何でできているの??!!


マジで物理学ってすごい!!おもしろい!!
何で物理がこんなにおもしろい世界だったということを高校の物理の先生は教えてくれなかったんだろう?教えてくれていたならずっと物理の勉強が楽しかっただろうな・・・と思ってしまうのです。
今正に学生で物理を勉強している人達、そして、めちゃくちゃわかりやすく書いてあるので小学生や中学生の子供達に是非おすすめしたい一冊なのです。